私とシュタイナー教育  子安美知子(学陽書房)

ーいま「学校」が失ったものー

前回の#1の続きです。




【幼稚園こそ深い思想を】

生命体を育てる

<0歳から7歳の時期>

この時期は肉体は明らかに臨月が来て外に出ている。しかし、生命体はまだ、膜の中にいるという時期。

生命体は膜の中にいる時何を一生懸命やっているかというと・・・

からだの発育をつかさどっている。

・首がすわる。

・ハイハイをする。

・立って歩く。

・目が見える。

・耳が聞こえる。

・味覚がわかる。

そのためには、生命体が膜の中で十分に保護されていなければならない。

歯が乳歯から永久歯に生え変わるーお母さんからもらった歯だったのに、子ども自身の歯ができて外に出てくる。
生命体の膜の中での仕事がだいたい終わる。
膜から外に出ると、生命体の働きが少し変わって、「記憶」という役割を果たす。

3歳・4歳の時のことを覚えていたとしても断片的で前後関係がはっきりしない=記憶の始動

脈絡の取れた記憶は、小学校の入学あたりから

この頃が、生命体の臨月。

早期教育が良いわけではない。

胎動が始まったばかりの生命体を無理やり出すことになる。

これは危険なこと。

記憶を早産させてしまうと、将来の子どもの意思、行動力を弱めてしまう。

<小学校の時期>

この時期は、感情体がまだ膜の中にいるので、それを上手に保護して育てなければならない。
感情体が膜の中で何をやっているかというと、
人間の感情を微妙にニュアンスづけて分化させることをしている。

喜怒哀楽だけでなく=憧れの気持ち・畏敬の念・美しいものを見て悲しい気持ちになる・突進したい気持ち・足がすくんで自分をちっぽけに感じる気持ち=色々なニュアンスの感情

それを膜の中にしまっておけば思春期に、異性を意識するようになった時に、粗雑な気持ちだけで異性を求めるのでなく、もっと高められた異性への関心が育つ。

そこまで育って 感情体が臨月を迎える。感情体は思考力に姿を変える。

思考力も、小学校4年・5年生で胎動を始める。

「生命体」も「感情体」も早産させることによって弱められる。

日本人の傾向は、「知」の部分は優れているが、感情もこもっていなければ、行動にも移せない。

 

知・情・意のバランスの取れた人間を育てるのには、

0歳から7歳は将来の「意」の基礎であることを強く自覚して幼児教育に当たらなければならない。

そうでないと、タテマエばかり上手にいう人間しか育たない。

シュタイナーは、自分がこういう人間観を持った以上は、教育の場で実行しないと「知」がここ「意」まで降りていないということになるから、

シュタイナー学校や幼稚園を作った。

最初の学校を作ったのは1919

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